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非エンジニアがClaude Codeで家族のせどりアプリ制作に失敗した話──発想次第でなんとかなる

不用品販売から始まった妻のせどり。
普段の買い物から身につけた嗅覚で少しずつ売り上げを伸ばし、楽しそうにやってます。

Claude Codeを使い始めた僕は、この手伝いができないか?と考えてみました。

最初に作成したのは
フリマサイトCSV→会計ソフト用データ変換ツール。

妻からは「せっかく頑張ってメモして覚えたのに!笑。でもすごい簡単になった。ありがとう。」
と言ってもらえました。

これに味を占めた私はさらに想像します。

ドラッグストアでスマホを手にお得そうな商品を見つける妻。
スマホで撮影すると、フリマサイトでの最近の販売実績と照らし合わせて見込み利益額がわかる。
「こんな便利なアプリを作ってくれてありがとう!」

はい、妄想です。

タイトルにもある通り、アプリ制作は失敗に終わりました。
Claude Codeでは作れない。というわけではなく、私の知識とスキルが圧倒的に足りなかった。

それでも記事の最後には「なんとかなるんじゃないか」という光明が見えてきます。

この記事は、コードを読めない非エンジニアの私が、家族に感謝されるようなアプリを作ってみたい。
そんな気持ちに突き動かされて打ちのめされた記録と、それでも発想次第ではなんとかなる。知識はこれから身につけていこう。と前を向く気持ちになれたClaude Code体験記です。


目次

何を作ろうとしていたか

妻のせどりの主力商品は日用品とインスタントコーヒーなど賞味期限の長い食品です。

普段の買い物で身につけた圧倒的な知識量と相場観が武器になっています。

サイクルはこう。

  • スマホでスーパーやドラッグストアの広告を確認。
  • 自分が販売したことのある商品が利益が出せる価格で購入できるか確認。
  • 取り扱ったことがなくても、自分が「お得だ」と感じた商品についてフリマサイトで販売実績と価格を確認。
  • 梱包サイズから送料と手数料を引いても利益が出るかを計算。
  • 普段の生活ルーチンの中で無理なく仕入れられるか検討。

そして、仕入れ→撮影→出品→販売。という流れ。
この仕入れ前までの工程の効率化を目指すことにしました。

まずは思いつくままに効率化したいところを並べていきます。

広告を見て探す手間をなくせないかな?
普段の買い物の中で見つけたお買い得品も利益が出るかすぐに確認できないかな?
フリマでの売れ筋や価格を自動で調べられないかな?

そして、どんな機能があればこれらを達成できるか考えてみます。

  • 見つけた商品をカメラで撮影する。
  • 撮影された商品のフリマアプリでの実売価格がすぐにわかる。
  • 想定手数料と送料から、見込み利益を算出する。

梱包のサイズ感や手数料・送料はすでに妻の頭に入っています。
だから機能は上の2つだけでいいかなとも思いました。
でも、今まで扱ったことのない商品にも広く使えると考え、3つを条件に設定しています。

Claude AIへのプロンプト作成依頼

どうすればこの機能を妻のスマホに実装できるか。もちろん私にわかるわけがありません。

そこでまず、Claude Codeへ渡すプロンプト(指示文)をClaude AIと相談して決めます。

実際にClaude AIに相談した内容がこれ。

Claudeに限った話ではないですが、AIを使う時、最後の一文が結構重要だと思います。

これを入れておくことで、勝手な推測で進めず、AIから確認事項が返ってきます。
この時は、選択肢が表示され、いずれかを選ぶ形で回答しています。

スクレイピングについて メルカリ・Yahoo!フリマ・楽天フリマはいずれも利用規約でスクレイピングを禁止しています。この時はそういったことも知らずに進めていますが、Claude Codeが「事前に知っておくべき重要な点」として、プロンプトを提案する時に警告してくれました。

このやりとりで提案してくれたプロンプトがこちら。

Claude AIのプロンプト提案

せどり補助アプリ(iOS)の開発

概要

店舗せどりをサポートするiOSアプリを開発してください。
商品を撮影 → 商品名と仕入れ価格をAIで認識 → フリマサイトの相場を取得 → 利益計算という一連のフローを実装します。

技術スタック

iOSアプリ(フロントエンド)

  • Swift / SwiftUI
  • iOS 17以上をターゲット
  • カメラ・フォトライブラリアクセス
  • OCR: Vision framework(Apple標準)
  • 商品認識: OpenAI Vision API(または Claude API)へ画像を送信

バックエンド(価格取得サーバー)

  • Python + FastAPI
  • フリマサイトの価格取得(初期実装はモックデータ、後で実スクレイピングに差し替え可能な構造にする)
  • ローカル開発時は http://localhost:8000 で動作

画面構成・機能要件

1. ホーム画面

  • 「撮影する」ボタン(カメラ起動)
  • 「アルバムから選ぶ」ボタン
  • 過去の検索履歴リスト(任意)

2. 撮影・確認画面

  • カメラで商品の写真を撮影
  • 撮影後、画像をAI(Vision API)に送信し以下を自動抽出:
  • 商品名(できるだけ具体的に)
  • 仕入れ価格(値札・POPが写っていれば読み取る)
  • 手入力フォーム(自動抽出できなかった場合や修正用):
  • 商品名テキストフィールド
  • 仕入れ価格(数値入力、円)
  • 「相場を調べる」ボタン

3. 相場・利益計算画面

  • バックエンドAPIに商品名を送信し、以下を取得・表示:
  • メルカリ:直近の販売実績価格リスト(上位10件)
  • Yahoo!フリマ:同上
  • 楽天フリマ:同上
  • 各サイトの中央値・平均値を表示
  • 利益計算セクション:
  • 想定販売価格(スライダーまたは入力、デフォルトは中央値)
  • 送料概算(以下のロジックで自動計算):
    • 「小型・軽量(~1kg)」「中型(1〜3kg)」「大型(3kg〜)」から選択
    • 各カテゴリのらくらくメルカリ便・ヤフネコ便の目安送料を定数で保持
  • 手数料(販売価格の10%で固定)
  • 【利益 = 販売価格 – 仕入れ価格 – 送料 – 手数料】をリアルタイム計算
  • 利益率も表示(利益 ÷ 販売価格)
  • 利益がプラスなら緑、マイナスなら赤で強調表示

バックエンドAPI仕様

GET /search?q={商品名}

レスポンス形式(JSON):
{
“query”: “商品名”,
“results”: {
“mercari”: [
{ “title”: “商品タイトル”, “price”: 3200, “sold_at”: “2025-03-28” }
],
“yahoo_flea”: […],
“rakuten_flea”: […]
}
}

初期実装はモックデータで構いません。
実際のスクレイピングロジックは search_service.py に分離し、後から差し替えられる構造にしてください。

ディレクトリ構成(推奨)

SedoriApp/
├── iOS/ # SwiftUIプロジェクト
│ ├── Views/
│ ├── ViewModels/
│ ├── Services/
│ │ ├── CameraService.swift
│ │ ├── VisionService.swift # OCR・AI画像認識
│ │ └── APIService.swift # バックエンドとの通信
│ └── Models/
└── backend/ # FastAPIサーバー
├── main.py
├── search_service.py # スクレイピング(初期はモック)
└── requirements.txt

実装の優先順位

以下の順で実装を進めてください:

  1. バックエンド:FastAPIサーバーのセットアップ+モックAPIの動作確認
  2. iOSアプリ:プロジェクト作成・画面遷移の骨格
  3. カメラ撮影・画像取得機能
  4. AI画像認識(Vision API連携)と手入力フォーム
  5. バックエンドAPIとの通信・相場表示
  6. 利益計算ロジックとUI

その他の要件

  • エラーハンドリングを丁寧に実装する(API失敗時・カメラ権限なし時など)
  • SwiftUIのPreviewが動作するようにモックデータを用意する
  • コードにはコメントを日本語で記述する
  • Xcodeプロジェクトはそのままビルドできる状態にする

Claude Codeへのプロンプト流し込み

正直なところ、Claude AIが提案してくれたプロンプトを見た段階で

「スマホアプリは早すぎたか?」と薄々は感じていました。

なぜか?
それは、これ以上の壁打ちができず、このままClaude Codeに流さざるを得ないと思ったからです。

これまでの経験上、内容が難しくなればなるほど、
AIとの会話が一発でうまくいくことはほとんどないと学んでいました。

「ここはこうした方がいいなじゃない?」とか、
「ここはちょっと意図が伝わってないと思うからこうして」などと投げ返すと、
大体「確かにそうですね。じゃあこんな感じに直しましょう」と言った感じで徐々に良くなっていきます。

もちろん、わからないところは聞けば丁寧に教えてくれます。

でもこのプロンプトは、疑問を投げかける気が失せるほどわからないことだらけだったんです。

それでも一応Claude Codeにそのまま流し込んでみました。

しばらく内部で作業が続き、出てきた答えがこちら。

Claude Codeからのアンサー

実装完了です。ファイル構成の全体像と使い方をまとめます。

生成されたファイル構成

SedoriApp/
├── setup.sh ← 一括セットアップスクリプト
├── backend/
│ ├── main.py ← FastAPI サーバー本体
│ ├── search_service.py ← 検索ロジック(モック → 実装差し替え口)
│ └── requirements.txt
└── iOS/
├── project.yml ← XcodeGen プロジェクト定義
└── SedoriApp/
├── SedoriApp.swift ← @main エントリポイント
├── Info.plist ← カメラ・通信権限設定
├── Models/
│ ├── Product.swift
│ ├── SearchResult.swift
│ └── ProfitCalculation.swift
├── Services/
│ ├── CameraService.swift ← カメラ権限管理
│ ├── VisionService.swift ← OCR / OpenAI Vision API
│ └── APIService.swift ← FastAPI 通信 + MockAPIService
├── ViewModels/
│ ├── HomeViewModel.swift
│ ├── CaptureViewModel.swift
│ └── ProfitViewModel.swift
└── Views/
├── HomeView.swift ← 撮影/アルバム/履歴
├── CaptureView.swift ← 画像確認・手入力
├── ProfitView.swift ← 相場表示・利益計算
└── Components/
└── ImagePicker.swift

セットアップ手順


1. Xcodeプロジェクトの生成

brew install xcodegencd SedoriApp/iOSxcodegen generateopen SedoriApp.xcodeproj

2. バックエンドの起動

cd SedoriApp/backendpython3 -m venv .venv && source .venv/bin/activatepip install -r requirements.txtuvicorn main:app --reload# → http://localhost:8000/docs でAPI確認

3. OpenAI APIキーの設定(任意)

  • Xcode → ターゲット → Build Settings → OPENAI_API_KEY に追加
  • 未設定の場合は Apple Vision Framework のOCRにフォールバック
主な実装ポイント
機能実装
AI画像認識OpenAI gpt-4o Vision → OCR フォールバック
利益計算販売価格スライダー、3段階サイズ選択、リアルタイム計算
手数料販売価格の10%固定
送料サイズ別定数(らくらくメルカリ便基準)
スクレイピング差し替えsearch_service.py の3関数を実装するだけ
プレビューMockAPIService でネットワーク不要のPreview対応

思った通りでした。
この後何をすればいいかが全くわからない。

かろうじてわかったのは、いくつかのAPI連携が前提になった設計であること。
つまり、完成させる自信がないものでも、テストするために課金が必要になりそうだということです。

この回答を見た瞬間にスマホアプリの開発は断念。
これをネタにこの記事を書くと決めた1ヶ月後まで、このセッションはこのまま放置状態でした。


設計時点で抜けていた論点 =「誰の・どこで・どう動かすか」

「何を作るか」は、Claude Code に渡す前に詰めていました。
比較対象のフリマ・利益計算ロジック・画像認識の組み合わせ──ここまではClaude AIが固めてくれていた。

抜けていたのは 「誰の」「どの端末で」「どう動かすか」 の側でした。
家族のスマホでアプリとして動かそうとすると、最低でもこれだけのものを別に揃える必要があります。
(これもClaude Codeに教えてもらいました。)

・Apple 公式の開発者プログラムへの加入(年99USD)と、アプリを家族のスマホに入れるための証明書管理
・App Store または TestFlight への審査提出と通過(個人で出すアプリは審査の通り方が難所)
・AI 利用のためのアクセスキーの安全な置き場(アプリの中に直接書き込むと、配った瞬間に課金が誰でも使える状態になる)
・フリマ相場の取得処理を24時間動かすためのPCをどこに置くか(自宅PCを常時起動するか、月額のクラウド環境を借りるか)

いずれも私のスキル域の外にありました。

Xcodeの存在を知ったことがまず第一歩だったと言えるでしょうか。

「誰が、どこで、何を起動して使うか」を最後まで具体的に書けるか

そして、そのために何が必要になるのか。

最低でもこれがイメージできるように学んでいこうと決めた経験になりました。


自分がPCでできることならClaude Codeも全部できる

ただここで諦めたわけではありません。

スマホアプリを作るにはXcodeが必要。
カメラ画像を使うにはOpenAI Vision APIが必要。

これはなんとなくわかったので、これらを使わずにせどりを補助するツールはできないか。
この方向に思考を進めます。

そして気づいたのは、「私自身が妻のせどりを手伝うとしたら何ができるか」という視点を持つことです。

そしてそれをClaude Codeを使って効率化する。

今回の失敗は、この方法ならなんとかなるんじゃないか?

そう思えた思考の転換点になりました。

私が手伝うとしたら、

  • WEBで生活圏内のスーパーやドラッグストアの広告を確認する。
  • 今までの実績で販売したことのある商品がその時の仕入れ値以下で掲載されていたらピックする。
  • 他にお得そうな商品を見つけたら、フリマサイトで売れた実績があるか調べてみる。
  • 利益が出る可能性があったら、梱包サイズと手数料を調べる

これなら私でもPC1台でできます。

つまりClaude Codeにやってもらえる。

妻に喜んでもらいたい。その気持ちを叶えるために、光明が見えてきた瞬間でした。


まとめ──まずは自分でできることの時間を極限まで抑える

この記事で持ち帰ってほしいのは1点です。

自分がPCを使ってできることは、大抵はClaude Codeにそのまま任せられます。

もちろん、Claude Codeを導入したらいきなり便利なアプリが誰にでもできるようになる、というほど甘くもありません。

でも、まずは「自分がPCでやってきた手作業を任せる」という発想で使ってみる。これがClaude Codeを最初に動かす一番ラクで効果の出る入り方だと思います。

そして、効率化で浮かせた時間で知識とスキルを身につければ、さらに使いこなせるようになっていく。

スキルが追いつくまでの間は、自分のPCで完結する形から始める。これが、いまの私の到達点です。


あわせて読みたい

そもそもClaude Codeを触ったことがない方は、まずこちらから:

本記事の続編。「自分のPC1台で完結する仕組み」を実際にどう組んだか、中身を全部見せています:

同じ家族支援の文脈。ピボット前に作っていた「プログラムを書かせる側」の実例:


この記事に出てきた専門用語

本文中でさらっと出てきた用語をまとめておきます。先に読まなくても話は追えますが、引っかかった方はこちらから戻って確認してください。

チャット型AI/エージェント型AI

チャット型は相談役。エージェント型は相談もできる実行役

プロンプト

AIへの指示文

API

外部のサービスにデータを取りに行ったり、機能を借りたりするための「窓口」。多くのAPIは利用回数に応じて課金される

OpenAI Vision API / Claude API

OpenAI社・Anthropic社が用意している、画像や文章をAIに処理してもらうための窓口。利用には登録とAPIキーが必要

スクレイピング

Webサイトの画面に表示されている情報を、プログラムで自動収集すること。サイトによっては利用規約で禁止されている

Swift / SwiftUI

iPhoneやiPad向けアプリを作るための、Apple社が提供しているプログラミング言語と画面の作り方の仕組み

Xcode

iPhoneアプリやMacアプリを開発・テスト・配信するための、Apple社が無料で提供している専用ソフト。Macでしか動かない

OCR / Vision Framework

画像の中の文字を読み取って、文字データに変換する技術。Vision FrameworkはApple純正の同種機能

Python / FastAPI

Pythonは初心者でも扱いやすいプログラミング言語。FastAPIはそのPythonで「データの窓口(API)」を作るためのフレームワーク

App Store / TestFlight

iPhoneアプリの公式の配り場(App Store)と、開発中のアプリを限定公開でテストするための仕組み(TestFlight)

Apple Developer Program

自分が作ったアプリをiPhoneに入れたり配ったりするためにApple社へ加入する有料プログラム(年99USD)

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この記事を書いた人

東証プライム上場企業の中間管理職。プログラミング経験ゼロから Claude Code で業務効率化ツールを自作中。「非エンジニアが本当に作れるのか」の実験記録を一次情報で発信しています。

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